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ESADE MBA in BARCELONA      (PEPEです。バルセロナで学生してました。07年4月卒業)
by esade
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Valueとは

CSRについて、いろいろ叩き込まれている毎日ですが、CSRという言葉が一人歩きしている今日、捉え方、意味合いがアメリカとヨーロッパでは温度差があるようです。

会社のHPを見れば一目瞭然ですが、アメリカでは、”カトリーナ台風で10000ドル寄付した、津波被害に20000ドル寄付した”とか、社会的コミットメントというよりフィランソロピーに限りなく近いことをメインで行っています。(で、それをHPで大々的にマーケティングツールに利用しています。)
逆にヨーロッパでそういうことをすると、「マーケティング利用みえみえ、うわべだけの善意だ」と大半の人は思います。
で、アメリカではCSRがフィランソロピー的な意味合いを持っており、逆にヨーロッパでのCSR的な活動は(Social) IMPACTと言われているそうです。

ところで、今日はVALUEに関しての話がありました。 例えば、うちの学校ESADEはどういうVALUEを大切にしているかというと、TeamworkとかDiversityといったValueを大切にします。会社もそれぞれどういったValueを大切にしているか、HP等ででていると思うのでそれが自分の大切にしているValueと一致もしくは似ていないと、入社してから困ることになります。これから仕事探しする人は自分のしたい事も大切ですが、それと同じように会社の方向性、どういったValueを大切にしているか、もあわせて調べてほしいものです。

そんな中、The Insider という映画を授業の一環で見ました。この映画はPersonal, Professional, Organizational Value と3つの異なるValueにどういうPriorityをつけるか。会社が社会的に問題となる行動をしているのを知っていて、良心の呵責に悩むが、病気の子供の医療費のために会社と守秘義務を約束する。しかし本当にそれでいいのだろうか、やはりPUBLICに公表するべきではないか、正義と生活の保障の狭間で自分の持っているVALUEの優先順位が変わっていく過程を描いた映画でした。

個人として、プロフェッショナルとして、そして会社の社員として、時にVALUEが相反する時もあり、どちらかを犠牲にする、捨てなければならないときがあります。その優先順位を決めるのはとても苦しく、悩む過程であります。(日本では会社の社員としてのValueが高いのかな?)

が、ひとつサッカー選手の別な例を挙げておきます。
現在リーガ・エスパニョーラのビジャレアルでプレーしている元アルゼンチン代表、リケルメはつい2週間前にアルゼンチン代表から引退すると発表しました。結構、日本でも報道されたので知ってる方も多いと思います。
彼は別に怪我をしたわけでもなく、モティベーションが無くなったわけでもないのですが、代表引退した理由は「母親が大事だから」  詳しくは母親が病気がちで、自分が代表でプレーしてて、(負けたりして)批判がリケルメに当てられると、母親にいやがらせをしたり、生活に危険な状態が生まれるとのこと。それが元で、精神的にもまいっているとのこと。それで引退したそうだ。
ここでリケルメは先ほどのValueで測ると、 Personal Value(家族)とProfessional Value(アルゼンチン代表として試合する誇り、名誉)との間でどちらかを選択しなければなりませんでした。 先ほどのハリウッド映画では、その心揺れ動く模様を描いていたのですが、リケルメの場合、「選択は簡単だった」そうです。 彼のコメントによると、「代表と家族、もちろん僕は家族をとる。母親は僕にとって1人しかいないし、大切な家族だから」とのこと。(リケルメを映画にしたら、10分で終わってしまいそうです)

サッカー界ではヒデ、プロ野球では新庄が引退しましたが、いつまでもやめないで~と話している第3者が彼らに抱いていたVALUEと彼ら自身が持っていたサッカー、野球に対してのVALUEには違いがあったと思います。もしくは、いくつかあるVALUEの優先順位が違っているはずです。

今後の人生においても、そういった転換期が必ず訪れるはずなので、何に優先順位をおくか、妥協できないValueをベースに進んでいくしかありません。

あなたが妥協できないValueは。。。?
by esade | 2006-09-29 06:17 | Escuela [学校]
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