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サハラ砂漠にて
今回、2泊3日の砂漠ツアーに参加したのだが、まあ、砂漠を体験するオママゴトのようなものだ。
それでも、文明の力に甘やかされて育ってきた私たち(今回のツアーに参加した日本、イギリス、スペイン、NZ、シンガポールの奴ら)には、十分すぎる経験だと思う。逆にこれ以上は無理であろう。 毎日歯を磨かなければ気がすまない、シャワーに入らなければならない、日焼けクリームを塗らなければ。。。喉が渇いたから水を飲もう、お腹が空いた、何か食べよう。 彼ら、砂漠人にとって、これらは贅沢のきわみである。 ラクダに乗せた荷物だけが生活の糧であり、水すらも限りある食料の一つだ。砂漠の中で何か獲物を捕まえたり、何かを釣ることもできない。あると思っていたオアシスさえ突如なくなることもあるのだ。恐怖心が砂嵐の中、体中をアドレナリンと伴に駆け巡る。 それと同時に砂と風と光と影が創り出す、究極の自然美に心奪われる。 写真を見ても判るように、実は砂漠は砂だけではなく、草も生えているのだ。 しかし、この草、雑草のようにみえるが、雑草というより木といったほうがいいだろうか、とても硬く、うまく踏み潰さなければ、足に切り傷を生じさせるくらいである。サボテンも硬くてとげがあるが、このような雑草のような草も、過酷な環境で自分が生き続けるためにこんなに硬くなったのだろう。生命力の強さ、そして尊さに心を動かされる。 この砂漠ツアーでは、テントが用意されていたのだが、私は砂の上でそのまま寝た。(下には敷物をひいたが。。) 星を見ながら寝ようと思い、外で寝たのだが、曇り空で星が見えなかった。疲れからそのままうとうとしてしまったのだが、夜中に突然目が覚めて、ふと目を開けた時のその光景は今でも脳裏に焼きついている。雲が全くなく、一面、星が輝いていた。遮るものは何も無い。以前、アメリカのヨセミテで今回のように空の下でキャンプをしたことがあり、あの時の星空の美しさも素晴しいものだったが、今回、砂漠でみた星空も言葉を失うほどだった。 横で妻が寝ていたのだが、肩をゆすり起こし二人で感嘆の言葉を失うほど星空を見入った。 星座をいくつか教えていたときに、冬の星座、オリオン座が東の地平線上近くに見えた。 あそこにオリオン座が、と指をさしたとき、その斜め横を一つの流れ星が天空を駆け上がった。 おもわず二人はあっ、と同時に声を出し、そして、神秘的な時間に感謝した。 その後、30分くらい星空を見つづけただろうか、そんな短時間でも10個くらいの流れ星を見ることができ、夢のような瞬間を過ごすことができた。自然美の砂漠の中で自然が創り出す天空の劇場を見ることができたのは、一生忘れないだろう。 星空も流れ星もカメラでは写すことはできない。 しっかりと心のpictureに焼付けながら、翌日、喧騒のマラケシュへと戻るのだった。
by esade
| 2006-09-11 23:11
| LIFE
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